みなさんは、『生活保護受給者』と聞くと、どんなイメージがありますか?
「何かしらの理由で働けない人への助け。」
「働けるのに働かないで楽をしている。」
など、良いイメージも悪いイメージも多種多様の考え方はありますが、著しく日常生活を送るのに困難な人には必要不可欠なモノではあります。
ですが、生活の保護を受けなければ、最低限な生活が出来ない人の中には、その受給されたお金でギャンブルをやっている方も少なくは無いのです。
そこで今回は「無くならない?生活保護受給者とギャンブルの関係と生活保護制度の目的」を紹介していきたいと思います。
生活保護の目的
そもそも生活保護とは、一体どのような目的・制度があるのか?
これは、日本国憲法第二十五条に定められている理念に基づき、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じて、必要な保護を行い、最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。
他にも、生活保護の制度は厚生労働省にも記載されており、すべての資産や能力等を活用してもなお生活に困窮する方に対して、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長する制度とされています。
具体的な保障として
■生活扶助(食費、被服費、光熱費等)
■住宅扶助(家賃等を定められた範囲内で実費を支給)
■教育扶助(定められた範囲内で実費を支給)
■医療扶助(本人負担なし)
■介護扶助(本人負担なし)
■出産扶助(定められた範囲内で実費を支給)
■生業扶助(定められた範囲内で実費を支給)
■葬祭扶助(定められた範囲内で実費を支給)
扶助の種類はさまざまありますが、人としての必要な内容を受ける事ができます。
受給額も“都道府県”や“市区町村(自治体)”、“世帯構成”などによって異なりますが、例えば
・一人暮らしなどの単身者であれば1ヶ月あたり10万円~13万円。
・夫婦2人世帯がもらえる受給額は15万円~18万円。
・母子家庭は母子加算によって平均で19万円、
・子供がいる4人家族であれば30万円近く支給される世帯もある。
ギャンブルとの関係
いきなりですが、質問です。
生活保護受給者がギャンブル(パチンコ・スロット・競馬・競艇等)をするのは違法でしょうか?それとも違法ではないでしょうか?
正解は
違法ではありません。
「生活が困窮しているのにギャンブルをやっていいの?」
なんて感じた方もいるかもしれませんが、生活保護として受け取っている金額は、個々に必要分が計算されており、その範囲内の使い道については基本的に自由になっているのです。
違法でないからといっても、ギャンブルをする行為そのものは良いわけではありませんし、ケースワーカーなどからの指導も入り、場合によっては支給を打ち切られるケースもあります。
また、ギャンブル等で浮いた金額は必ず報告する義務があり、浮いた分は収入となって、受給額が減りますが、浮いた金額を報告しない方が大半を占めている現状は否めません。
支給の方法
上記の「ギャンブルとの関係」で記載した、ギャンブルをするのが違法でないのであれば、「受給の方法を変えればいいのでは?」なんて感じる方もいる事でしょう。
良く耳にするのは、必要な物を書きだして現物支給にする案が浮上してくるのですが、これは生活保護法の第九条に『必要即応の原則』という項目があるのですが、この必要即応の原則において、年齢別、性別、健康状態等その個人又は世帯によって必要な物が異なるという条文があるので、物を用意する手間や人件費よりもお金を支給する方法と取っているのです。
確かに、飲み食いするのも買い物するのも、今では電子マネーや仮想通貨のようなモノも流通しつつある昨今ではありますが、条文が制定された時代には、もちろんそのようなモノは無い為、使い勝手の良い合理的な現金が今でも支給されているのです。
法律が改正されない現状が変わらない限りは、生活保護受給者のお金問題はなくならないかもしれません。
まとめ
このような内容を見ると、決して生活保護は“悪”ではありません。
生活保護を受けてのうのうと生きている人がいるからこそ、悪い例が目立ってしまいますが、勘違いはしないでください。
巷では、トレンドに『スマスロ』なんていう射幸心を刺激するものもあり、世の中にはあらゆるギャンブルが多く、欲にまみれてしまいそうになるのも事実。
昨今では、新型コロナウイルスの世界規模の蔓延により、収入が激減したり、仕事をクビになってしまった人も少なくはありませんし、自分自身で頑張りたい気持ちはあっても、生活保護を受けないと生きていけない人もいるのです。
なので、困っている人に必要なモノが届くような社会になる為にも、生活保護を現在受けている人は、、絶対に無駄なギャンブルに使わないようにしてください!
他にも、以下の内容も参考にしてみてください。
・あなたは大丈夫?気付かないうちに陥るギャンブル依存症診断テスト